第14章 大丈夫、私もあなたたちが嫌いだ

「あり得ないだろ」

 橘元太は反射的に口にしていた。

 橘結衣が高橋さんから弁当を受け取ったのは、自分に届けるためじゃなかったのか。

「じゃあ何?」

 橘結衣は顎をしゃくって、階段のほうを示した。

「高橋さんが来たよ。聞けば?」

 橘元太はすぐ高橋さんを見た。

「どういうことなんだよ」

 高橋さんは階下から慌てて駆け上がってきたのだ。自分がまずいことをしたと、遅ればせながら気づいたのである。

 さっき橘元太が「橘結衣が自分の弁当を食べた」と言った時、彼女は最初こそ驚いた。だが考え直すうち、どこかおかしいと感じ始めた。

 結衣様は普段、この家の兄たちをひどく立てている。そん...

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